学校紹介
私達ドンズー日本語学校は、ベトナム・ホーチミン市内で最大規模の日本語学校です。学生は約5,000人おります。「ベトナムの国づくり」を目指し、ベトナム国内より将来を担うであろう優秀な学生を選抜し、日本へ留学生を送り出すプロジェクトは、1992年から現在まで約580人になります。プロジェクト開始当初は、ノウハウがわからず多くの学生を送ることができなかったものの、ここ数年は、毎年150名くらいの学生を送り出しています。
ドンズー日本語学校は、1991年4月に設立されました。ベトナムではドイモイ政策が進み、経済及び工業が急速に発展しております。その中で、特に日本との関係は目を見張るものがあり、日本語の必要性が注目されています。その中において、「日本語話者の人材育成」、「日本語を通してベトナムとの文化交流」、「日本への留学生派遣」という3つのテーマを掲げて学校を運営しています。その中で、最も力を入れているのが、「日本への留学生派遣」です。
東遊(ドンズー)運動
ベトナムにおいて日本へ留学生を派遣する動きは、今に始まったことではありません。20世紀初頭に、若い指導者を日本で育てようという「東遊(ドンズー)運動」が起こりました。当時、日露戦争でロシアに勝った日本は、ベトナムにとって輝かしい民族独立のシンボルだったのです。
しかし、この東遊運動は決して成功したとは言えない内容でした。それから約1世紀の時を越え、東遊運動の志を受け継ぎ設立された学校が、私達のドンズー日本語学校です。
留学生クラス
現在、留学生クラス(留学志望者のクラス)は、2006年に設立した新校舎にて集中的に行っております。この校舎では、留学生及び研修生のみの授業しか行っておらず、一般クラスとは隔離して授業を行っております。研修生クラスは日本語全般の授業を行い、留学生クラスは日本語の授業に加え、数学・物理・化学といった科目も教育しております。テキストは日本の高等学校のテキストを使用しております。また、授業は全て日本語で行っています。日本語以外の授業に関しては、将来、日本国内の大学での講義を想定し、できるかぎり日本語のみでの授業に取り組んでいます。
日本留学の不安
留学生にとって、渡航前の最も不安なことは日本での生活です。もちろん勉学に対する不安もあるのですが、まず生活です。生活あっての勉学です。特に金銭面の不安は、学生に大きくのしかかっています。ベトナムの物価は日本の約8分の1です。いくら裕福な家庭でも、日本での生活は苦労が強いられます。従って、日本へ留学した学生は、アルバイトをしながら学費と生活費を稼ぎ勉強しています。出稼ぎに来ているのではないから、アルバイトは程ほどにという日本側の思いもあるでしょうが、その一方で、入学金や授業料の支払い等、渡航してすぐに数十万円の借金を抱えてしまったら、勉強どころの話ではありません。返済の目処も立たず、祖国での年収分の借金を一瞬にして背負ってしまうのです。そのため、入学金の免除や分割化を認めていただきたいです。特に、入学時の負担を軽減していただきたいと思います。
留学情報不足
次に、留学に関する情報が少なすぎます。情報収集は主にインターネットで行っていますが、知りたい情報を効率よく検索することができません。例えば、「水力発電について専門に勉強したい」と思った学生がいるとします。どこの大学へ行けば水力発電について勉強できるのか、どこの大学が水力発電に強いのかといったことがわかりません。学生はただ漠然と日本留学試験で良い点数を取って良い大学に行くしかないという感じになってしまいます。学生達には、勉強したい専門分野があり、技術が進んでいる日本へ留学したいと思うわけですが、どこの大学へ進学するのかといった具体的な目標が立てられません。
最後に
最後に、当校では一度日本国内の日本語学校へ就学生として送り、その日本語学校から日本留学試験を受験させ進学させています。日本で日本語を勉強できるというメリットはあるのですが、一度初級の学習をしたのにも拘わらず、もう一度初級の勉強から始めることが多く、少々効率悪く感じています。直接大学へ留学させたり、もしくは大学院へ進学させることが出来ればいいのですが、海外から直接留学する場合、多くの大学等は日本語能力試験2級取得を条件として掲げています。日本語能力試験は12月にしか実施されません。2級取得の実力があるにも拘わらず落ちてしまった場合や、個人の事情により受験できない場合、もう1年待って受験しなければいけないというのは、非常に不利であると思います。大学側からホーチミンへお越しいただいて、留学生選抜試験を行うなどの工夫を積極的にしていただくことはできないでしょうか。
あるいは、日本留学試験の成績で判定いただく「渡日前入学許可」をお願いできればありがたいかぎりです。
以上3点について、日本の大学側にもう少し柔軟に対応していただければ、優秀な学生を今よりも多く送ることができるし、大学側としても学生を集め易いのではないかと感じております。
このサイトは在日ドンズー留学生によって作成されます。お問い合わせは こちらからでお願いします。なお、この記事は独立行政法人・日本学生支援機構から引用することと致します。記事のリンクは こちらからです。
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